今年は我が家も大型連休を取り、お出かけにBBQにと娘孝行ができたんじゃないかと満足している松永の洋服屋ヨメみちよです。いつになく私の疲れが軽いのも良い感じです。
仕事や日々の暮らしの中で、私が感じた豊かさや楽しさをお届けします。
ふと思い出した本
先日の出張料理人のやまさんを招いてのお食事会の際に、「料理で人を癒す」という言葉が出てきて思い出した小説があったのでご紹介します。
『食堂かたつむり』小川糸
恋人とレストランを開くことを夢見ていた主人公は、ある日突然、全てを失います。失意の中、山あいの生まれ故郷に戻り、そこに暮らす人達と関わりながら始めた、1日ひと組のお客さまをもてなす食堂で、「人」と「食」に向き合い自分を再生していくというお話です。
その食堂で食事をした人達が元気になったり恋が実ったりするのを、食べる人を思って作った料理には、本来そんな力があるんだろうなと素直に納得した覚えがあります。家族に作る料理は、そういうものを目指したいとも思ったような。
結局のところ自分の傷は自分にしか癒せないんですが、その方向に導いてくれたり後を押してくれたりする、きっかけになるもの(人)はあります。美味しいものや誰かの言葉、装うこともそのひとつですが、こういう物語を読むことも再生の疑似体験ができて、癒しを感じることができるんじゃないかと思っています。
傷心のお供に、もちろんそうでなくても。料理の描写が美味しそうでしたよ。